乾癬と関節炎
乾癬
乾癬と関節炎
乾癬に腫れと痛みを伴い関節炎を合併する病気のことを乾癬性関節炎または関節症性乾癬といいます。症状としては、乾癬の症状に加え、全身の関節に炎症、強ばり、変形などが起こり、痛みます。関節症状はまさしく関節リウマチと酷似していて、進行すると大変痛むものです。
主に、膝関節、指関節、手首、足首などに発症することが多く、肋骨と胸骨の間の関節(胸鎖関節)、鎖骨と肋骨の間の関節、肩関節などに炎症が起こることもあります。乾癬に関節炎が伴う原因はまだはっきりとは分かっていませんが、炎症の病気で免疫の異常によっておこると考えられます。また、家族性発症が多いことから、何らかの遺伝的素因があるものと思われています。
関節炎の治療は、炎症と痛みに対し痛み止め(非ステロイド抗炎症薬)を用います。抗リウマチ薬も用いられ、特にメトトレキサートは関節炎と皮疹に効果的であるともいわれています。最近腫瘍壊死因子(TNF)の阻害薬であるインフリキシマブ(レミケード)とアダリムマブ(ヒュミラ)が保険適応となりました。これらの製剤で、多くの患者様で関節症状はもちろん皮疹にも今までにない画期的な効果がみられます。しかし感染症などの副作用が問題となることもありますので、専門の医師によく相談して下さい。
乾癬に関節炎を伴うと、全身の痒みとともに関節に痛みがあるため、睡眠が妨げられたり、風呂、トイレなどの日常的な行動にも不自由を伴う場合があります。また、筆記具や箸を持てなくなったり、着替えに介助がいることもあり、死に至る病ではないと理解していても、辛いものがあるといいます。
こちらも参考にしてください。
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